category: 2050 1/1
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2050 第1章 プロローグ
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2050 第1章 プロローグ 高層ビルの立ち並ぶ街路樹に最後まで縋り付いていた木の葉が、昨夜から吹き続けていた北風でその姿を消していた。高梨真理は勤めを終えて人影の少ない歩道を始発電車の待つ駅に向かって歩きだした。季節を感じさせない運動靴にスリムのジーンズ、そしてTシャツ姿である。申し訳なさそうに薄地のハーフコートを羽織っていた。艶やかなストレートの黒い髪が歩くリズムと風に合わせて揺れている。きっ...
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2017/07/09 (Sun) 00:19
2050 第2章 4月1日(給湯室)
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2050 第2章 4月1日(給湯室)「ねぇ、真理!聞いてるの?」25階建ての高層ビルにある給湯室で同僚の斉藤めぐみに話し掛けられて高梨は我に帰った。ここは高梨の勤める19階にある会社のオフィースなのだ。白のブラースにピンクのベストとタイトスカートに身を包んだ高梨真理は9時に出社し給湯室でポットにお湯を入れているところであったのだ。「ぼーっとしていると、火傷するわよ(笑)」斉藤ゆきは半分からかうよう...
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2017/07/09 (Sun) 16:20