category: 顔の無い肖像画 1/1
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顔の無い肖像画 第1章 夢(1)
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顔の無い肖像画 第1章 夢目の前が黒い絵の具で塗り固められた部屋の中、瑞穂は椅子に座らされていた。部屋が広いのか狭いのか、椅子から立ち上がるどころか身動きすら出来ない彼女には予測もできなかった。静まりかえった部屋には彼女自身の心臓の高鳴りだけが響いていた。(そこに居るのは誰?)真っ暗な闇は微かに感じる人の気配を遮っていた。その者は瑞穂を鋭い視線で突き刺しているのだ。少なくともそう彼女は感じていた。...
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2017/07/16 (Sun) 20:26
顔の無い肖像画 第1章 夢(2)
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顔の無い肖像画 第1章 夢(2)暗い部屋で瑞穂は椅子に縛られていた。いつもの夢である。いつもと違うところはそれが夢であるを認識していることである。毎朝見る夢では彼女が夢だと気がつくと必ず現実の朝に引き戻されていた。しかし、今回は初めからその事を理解していたのである。黒い闇が動いていた。視界が少し開けるとそこには荒縄で縛られた自分自身の姿が浮かんで来た。椅子の背もたれを抱える格好で後ろ手に縛られ、バスト...
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2017/07/18 (Tue) 21:45